

●剣道部時代
大学から剣道を始めた。当時の慶応大剣道部は、全日本学生選手権で優勝し部員も100名を超える強豪校。合宿、遠征はすべて参加し、のびのびと稽古に励んでいた。剣道三段。
●JAL時代
大学卒業後、日本航空に入社。カウンターセールスやアシスタントパーサーを経て本社・管理部門に勤務。
藤田東久夫(左)と義父・佐藤陽(右)●社長就任
1985年、サトー(現 サトーホールディングス)を経営する義父・佐藤陽の強い要望を受け同社へ入社、90年社長となる。商事会社を営み苦労した実父を見て「社長だけはやるまい」と心に決めていたが職業人生が一転した。
●ビジネスモデル構築
「人は最大の付加価値を生む」。この発想から、バーコード関連の機器を扱うサトーのビジネスを、単なる「製品から利益を得る」から「サービス的付加価値で利益を生み出す」、モノからコトへ、のビジネスモデルの転換を実現させた。
●新市場の開拓とベストセラー製品
メディカル市場での自動認識ソリューションの潜在需要に着目、医療過誤防止や院内管理システムなどの販売を主導した。
また、1999年に発売したバーコードプリンタ「L’esprit(レスプリ)」は今まで主流だったプリンタの約半分のコンパクトさが好まれ、ベストセラーに。
●二部上場
1994年、サトーは東証二部への上場を果たす。連続減益で利益水準も低く厳しい条件のなかであったが、「苦しいときにこそ上場をやり遂げる価値があり、順風満帆のときでは意味がない」と社員を鼓舞し上場の陣頭指揮をとった。
●一部上場
1997年、サトーは東証一部に上場。増収増益に転じ国内外あわせて20社を超える企業体になった。
●業績推移
CEO時代の17年間、サトーは大きく成長。
「日本経済の失われた10年」と言われた期間に長期にわたる増収増益および13期連続増配を果たした。
●大学院卒業
現役CEOだった2003年から早稲田大学大学院で経営学を学び、博士号(P h . D .)を取得。自らの体験を学問としての経営学の視点から研究し、
サトーの経営モデルを論理的に解明した。
●藍綬褒章受章
2007年、藍綬褒章を受章。
日本自動認識システム協会の会長(1998年~2009年)として、バーコードやICタグなど自動認識システムの普及に努めたことが評価された。
●講演活動
「変化と行動の経営」をテーマに講演や執筆活動を精力的に行っていた。
- ● 8月10日誕生(東京都港区)
- ● 慶応義塾大学経済学部卒業
- ● 日本航空株式会社 入社
- ● 株式会社サトー (現 サトーホールディングス株式会社) 入社
- ● サトー代表取締役社長就任
- ● サトー株式を日本証券業協会に店頭登録
- ● サトー東京証券取引市場
第二部上場 - ● サトー東京証券取引市場
第一部上場 - ● 社団法人自動認識システム協会(現 一般社団法人自動認識システム協会)会長就任
- ● サトー代表取締役執行役員
会長兼最高経営責任者就任 - ● 早稲田大学大学院アジア
太平洋研究科
博士後期課程修了
博士(学術)Ph.D. - ● サトー取締役経営顧問就任
- ● 藍綬褒章受賞
- ● 12月27日食道がんで死去
- ■趣味
日本ソムリエ協会ワインエキスパートの資格を持つ。「家庭やレストランでワインを愉しむ方のプロ。ソムリエというよりはノム(飲む)リエです」
話術を学ぶため、よく落語を聞いていた。ユーモアやエスプリを愛し、人との会話を楽しみ、周囲には笑いが絶えなかった。
- ■愛読書
愛読書は夏目漱石や阿部次郎の「三太郎の日記」など。